生きた廃墟現る!幻の宿を探索しろ!!

 

私はその日、専門学校時代の友人たちと行う、
毎年の恒例行事になっているスキーツアーの宿を探すべく、
日ピ隊会長のもんもん氏と秘密の会合を開いていた。
彼は、

 

「宿探しならやっぱコレっしょ〜!?」

 

と第一回日本ピラミッド制圧でもお世話になった

 

「宿70,000軒」

 

と書かれた本を持ってきてくれた。
さすが会長。わかってやがるぜ。
俺たちはいつもハングリー。
大きくなれよ。グリーンジャイアント。ほっほ〜。

コーンの缶詰の話はいいとして、
さっそくスキー宿を探し始めた。

 

「中央道方面から来るやつらも多いから、
白樺地区か白馬地区あたりがよかろうなー。」

 

「新潟から来るタケは?」

 

「ヤツはどこでも来てくれるっしょ〜!」

 

という綿密な打ち合わせのもと、
宿のターゲットは白樺地区(長野県)にしぼられた。

私自身、10年程前、ピラタス横岳のロープウェイにて

 

「高山植物保護指導員&切符のもぎり&駐車場整理」

 

という3段ロケットみたいなバイトで
1ヶ月ほど住んだ土地である。

いくぶんかそのあたりの地理には詳しかった。

しかし、ハイシーズンの連休となると、
10名を超える予約はなかなか出来なかった。
しかも、大いに飲む計画もあり、

「座敷の部屋」

というのと

「やっぱ温泉♪」

というのははずせないスタイルだったのである。

数件目に電話をかけてもまた断られた。
当たり前かもしれない。

 

 

 

 

 

 

なにしろ当日の約1週間前の電話なのであるから。

 

 

 

 

 

 

しかも、制圧記録1でもわかるように、
「宿70000軒」はその膨大な情報量のため、
写真などは一切載っていない

ギャンブル性の非常に高い

書物である。
そこで、会長がふと目を留めた一軒があった。

彼の選択眼は鋭い。
いつもキレた、いや、気の利いた宿をチョイスしてくれる。

ホテル○8がいい例である。

しかし、そこには

 

 

「秘湯の1件宿。料理良し。風呂良し。」

 

 

と書かれていた。
「宿70000軒」にしては、ホメすぎな感じである。


しかし、あのあたりに秘湯なんてあったか??


ダメで元々なので、早速もんもん会長は受話器を上げた。

 

 

 

 

「もしもし?○ヶ沢旅館さんですか?」

 

 

「はい。そうです。」

 

 

「あの、急な話ですみませんが、次の連休なんですが、
            14人ほど部屋空いてないですか?」

 

 

「大丈夫ですよ!」

 

 

会長は満面の笑みを浮かべながら、
無言で私に親指を立ててみせた!

 

「でも、廊下とか寒いんで、    
   あったかい格好してくださいね」

 

 

 

「はい〜!わっかりましたあ〜〜!!」

 

 

 

一件落着である。
我々は以外とすんなり決まったコトに気を良くし、
表参道のネオンの中へ溶け込んでいった・・・。

そしてその日は、

 

 

 

 

 

大いに飲んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

そしてスキーツアーの当日である。

 

 

 

 

 

金曜日に各自シゴトを終えたら、深夜に現地集合という、
みんなが良く使う強行スケジュールでさっそく現地へ向かった。

 

中央道諏訪インターで高速を降り、
大門街道経由で白樺湖を抜け、
白樺高原国際スキー場を目指せば 途中にあるはずだ。

 

白樺高原スキー場についてしまった!

 

どっかで見落としたんだろうと思い、
引き返したのだが、途中には廃墟のようなトコロが数件あっただけである。

 

白樺湖に着いてしまった!

 

カータンの愛機「宇宙戦艦ヤマト号」に乗っていた我々は、
もう一度地図を凝視した。

そして、何個先のカーブのトコロに現場があるのかを把握し、
カーブを曲がるたびに、

「い〜ちっ!にい〜〜いっ!!」

と修学旅行で行ったいろは坂のカーブを数えるように
すすんだのである。

そして問題のカーブの右側にその旅館はあった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ暗だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良く見ると電灯がいっこついてる!!

 

「ここだが?」

「いや、廃墟っしょ?今夜は探検??」

「いや、街灯に看板もついてるぜ?」

「じゃー、ここだ」

 

 

 

そこは

「○ヶ沢旅館」

という。秘湯というより、
あんま聴いたことのない温泉名であった。

あからさまに雪で傾いている。
しかも雪国真っ只中なのに、

 

 

 

玄関は木製の昔ながらのガラスの引き戸だった。

 

 

 

おばあちゃんのうちに帰ってきたような錯覚におちいりながらもその建物に入ると、
コカコーラの自販機を発見した!

 

 

しかも、メローイエローが売ってやがる!

こ・この青い缶はアンバサ!?

 

 

 

スプライトもファンタも昔ながらのパッケージである。

で、お金を入れる口は堅く閉ざされ、

 

 

 

 

 

「故障中」

 

とあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

故障してなければこの中の物は飲めるのであろうか?
などと、余計な心配をしながらも、

 

 

外とまったく同じ室温の玄関で靴を脱ぎ、宿の人を呼ぼうと思ったら、
一枚の張り紙を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

「部屋は左です」

 

 

 

 

 

 

 

誰に宛てた張り紙なのだろう?
我々だろうか?それとも他の客だろうか?

雪が溶け出しどこからか天井の屋根を濡らしている

手紙は我々へのものだと勝手に解釈し、
廊下を左へ進んだ。

寒い。異様に寒い。

それになんだか酔っているようにふらふらするのである。
良く見ると










床が浮いて波打っていた
・・・orz

 



部屋に入ると、こたつを囲んで布団が敷いてあった。





飲み終わったら即寝デスカ!?
ナイス・スタイル!!







部屋はストーブがガンガンに焚いているはずが、
異様に寒い!
しかも畳がぷかぷかするっ!

 

 

 

 

 

 

言っちゃあ悪いが、腐りかけデショ?この畳。

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に備え付けの半纏は・・・、

ちいさすぎてツンツラテンで役に立たない!

 

 

 

 

 

 

 

 


窓は障子の向こうは木製サッシだった。
隙間風がものすごく入ってくる。
天井板がずれているトコロからは

 

 

 

 

 

 

ナゼか岩が見えていた。

 

 

 

 

 

 

結局、部屋の中でも上着を脱ぐコトはできなかった!

ちなみに外は吹雪いていた。

一気に尿意を催し、便所に向かったもんもん会長が
転げながら戻ってきた!

 

 

 

「謎の・・・!謎の地下通路ハケーン!!」

 

 

 

我々は転がるように現場へ向かった。

 

「便所」

 

と小さく書かれたドアはもちろん木製だ。

そのドアからは押さえきれないアンモニア臭が漂っている。

 

 

もんもん「隊長、このドアです。」

 

隊長「すでにヤバヤバなんですが?」

 

もんもん「いーから開けろって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くっはあ〜〜!!!!
くっせ〜〜!!しびれるほどくせ〜〜!!
ママ!目が!目が見えないよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

糞尿刑事ジョン&パンチになった気分だぜ!
故パン著佐藤氏だったらヅラも飛び上がるほどだぜ!!

そして扉からすぐに地下へ続くコンクリートの階段が伸びている。

まずはこの画像の左手に洗面所があった。
このものすごい瘴気の中で歯を磨いたら、気分が悪くなること請け合い!

 

 

 

 

そして右奥に男性便所があった!

ここは昔の中学校の外便所ですか?

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに小便器はありません。
溝だけです
窓の外は完全に雪が積もっていて開きません。

 

 

 

 

 

 

 

「タ!隊長〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

アンモニアを切り裂くもんもんの雄たけびが聞こえた!

 

 

「う○こがうん○ができねいよう!!」

 

 

 

泣きながら大便用の個室から出てくるもんもんの後ろに見えたものは・・・。


こんな便器だった!!

 

 

 

しかもペーパーと比較すると判ると思うが、
便器自体も普通のそれより60%減(当社比)

 

 

 

 

なるほど。これは的をはずさずに爆弾を投下するには
やや後ろよりにしゃがまなければならない!

 

 

 

 

 

 

が、そこには壁。

 

 

 

 

 

 

 

お尻が壁面についてしまうのであるっ!
しかも壁面も湿気ていてとても冷たいのであるっっ!!

もんもんは半べそをかきながら

 

 

「今日はあきらめるよう・・・」

 

 

K2を抑えながら引き返すもんもんの目には心の汗が光っていた。
我々も目頭が熱くなるのを抑えられなかった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかたがないので、部屋に戻って、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大いに飲んだ!

 

 

 

 

 

 

翌朝、私は風呂に行ったが、お湯は汲んでいる最中だった。
ちなみにここは天然温泉の宿である。
脱衣場の窓ガラスは隙間がバリバリにあり、
脱いでいる時に乳首がコリッコリになってしまったのは言うまでもない。
シャワーでもいいやと半べそをかきながら浴場に入ると、

 

 

 

 

シャワーなんかなかった!

 

 

 

 

しかもお湯も出なかった!!

 

 

 

 

 

 

しかたがないので、少しだけたまった浴槽のお湯にねそべり、
潜望鏡プレイみたいになりながら温まり、

速攻で出てきた!

スキーはというと大混雑で、ロクにすべれなかったので、
宿に引き返し、晩飯に一縷の望みをかけ、
宿に戻ると、

晩飯は冷えていた!

くうっ!あったかいのはご飯だけだ!
味噌汁も冷えてるぜ!

しかもおかずは鯉の洗いだ!
刺身は豪華な感じだが、

 

 

 

 

 

 

 

心の奥まで冷えた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも、喰っている最中に食堂の床が1箇所抜けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壁を見ると・・・。

微妙に盛り上がっている。
何故?
さらに下を見ると・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪が見えていた♪

 

 

 

 

 

上の画像を見ていただくとわかるかもしれない。

壁は大きく湾曲しているのである。

これは全部進出してきた雪のせいである!

な〜るほど。寒いはずだね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食後、食堂のすみにあるマッサージチェアでリラックスしてみよう!

くふう!これはキクぜ!!

背中にゴリゴリきやがるぜ!

 

 

 

 

ちなみに後ろの机が波打っているのは
床がぷかぷかするせいである。
もう、プチ崩壊開始♪

 

 

 

 

 

 

こんな小粋な遊び道具も!

 

 

 

 

 

 

ビリヤードボーリング♪

ちなみに隣の台が微妙に傾いているのは、
床がぷかぷかしてるせいDEATH♪

 

 

 

 

でもキューが無いので、

 

 

 

 

 

手で転がして見ました!!

ちなみに窓の上の壁はプチ崩壊してます
外はまぶしいほどの銀世界。

 

 

 

 

 

 

 

現在室温5度(くらい)♪

 

 

 

 

 

 

 

すっかり体が冷えてしまったので、
もんもんがステキな発言を宿の方に聞いていた。

 

 

 

「この近くに温泉ないですか?」

 

 

 

おいおい!

ここは秘湯の一軒宿DEATHよ?

しかし宿の方は白樺湖の方の浴場を教えてくれた。
ありがとう。おばちゃん。

 

 

 

そして翌日、ほとんど寒さで眠れないまま、
宿を後にした。

外観はこんな感じでした!


1.5泊を戦い抜いた(飲み続けた)隊員たち。

 

 

 

後ろに見える2階の窓が客室の窓です♪
右側2階が入り口DEATH。
(コーラの自販機はここ!)その下のブロックのエリアが、噂の瘴気部屋でした!!

 

 

 

 

 

ありがとう!○ヶ沢温泉旅館!!

 

 

 

 

 

きっと今年のスキーツアーは決して忘れることはないだろう。

写真を撮ったあと、隊員たちの目には心の汗が光っていた。
もちろん私も例外ではなかった。

文章中では書き記せなかったが、
ここで箇条書きで他のセクシーポイントを紹介しよう。

 

 

1.廊下に設置された消火器は中華料理やさんのお酢を入れる容器みたいなのに赤い液体が入っていた。
(使い方まったく不明)

2.食堂にある2階への入り口階段は青いビニールで覆われ「通行禁止」の札が。
(たぶん雪の進入がはなはだしいための閉鎖)

3.入り口への階段の手すりはさびているため、さわると茶色に染まるぜ!

4.廊下にビールを置いておいたら、冷えるのを通り越して凍っていたよ!

5.脱衣場のすりガラスはスケスケなんで、廊下からバッチリ♪

 

 

こ〜んなステキな宿でした♪

 

 

1.5泊3食つきで10000円ポッキリ!!

 

 

是非あなたも泊まってみては??

 

 

 

 

あとがき。
あまりにすさまじい内容の宿だったので、帰宅後にネットで検索してみました。
そしたらあるサイトにこんなことが。

「9X年 廃業。 ランプの宿がまたひとつ消えた。残念。」

ちなみに我々が泊まったのは書かれていた年の数年後の出来事である。

 

 

 

まさに生きた廃墟であった・・・。

 

 

 

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